歯列矯正の最も多い 失敗は後戻り

歯列矯正の最も多い失敗は後戻り

「歯列矯正が失敗した、あるいはうまくいかなかったという人で最も多いのが、この後戻りです。治療した歯が元に戻ってしまうことを言います。

実際に、昔、歯列矯正をしたが後戻りになってしまい、もう一度矯正をしたいと来院される方もいます。

歯列矯正は通常、歯並びが整った後、後戻りをしないようマウスピースで保定をします。この保定の期間は、患者さんの歯の状態を見て期間を決めていいきます。

「当院では、最低2年間は保定期間として、マウスピースを装着するようにお願いしています。その後は歯の状態を見ながら、徐々にマウスピースをつける時間を減らしていきます。

後戻りにはほかの要因も考えられます。“舌の異常習癖”と”舌小帯の異常”です。

「通常、唾をのみ込むとき、舌は上顎につきますが、まれに、舌を前に突き出す人がいます。これによって歯が前に押し出されてしまうのです。異常習癖は治療が長引く原因になりますし、歯並びが治ったとしても、舌の力で歯が動いてしまい、結局後戻りしてしまいます」

舌の異常習癖は、言葉の発音や、物を飲み込むときの舌の動きで診断します。また、口呼吸も歯並びに影響する癖のひとつ。口が開いていると舌も前に出やすいので、前歯を押し出します。

「舌は筋肉の塊なので、歯にかかる力は相当大きいです。舌の動きの癖は、歯列矯正に大きな悪影響を及ぼし、失敗の原因となります」

しかし、異常習癖も口呼吸も、トレーニングによって治すことが可能です。重要なのは、治療前に、舌の癖をしっかり診断することです。

後戻りすれば、矯正治療にかけた長い時間や費用をドブに捨てるようなものです、治療開始前に十分注意して検査が必要です。

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