投稿日:2020年12月5日 | 最終更新日:2021年7月2日
ムーシールドとは|スマイルライン歯科・矯正歯科
ムーシールドは子供の受け口を治すマウスピースタイプの矯正治療装置です。子供の受け口は舌の位置や動きによって起こることがあります。ムーシールドを使うと、舌の位置が正しい場所に置かれ、頬側の筋肉の異常な力を排除するため、歯に余分な力が加わらなくなるので受け口が改善してきます。
上と下の前歯が永久歯になり、受け口は改善しています。
ムーシールドの3つの効果
舌を上に持ち上げ上顎を広げる
舌の正しい位置は上顎を押し上げている状態です。この押し上げによって上顎は広がり、下顎より広く、受け口にはならないのです。実は舌の形と上顎の形はほぼ同じなのが正常な状態です。しかし、受け口の方は舌を上顎につけることができないため、ムーシールドで矯正的に舌を持ち上げ、受け口を改善します。
舌で下の前歯を押さないようカバーする
受け口の方は上顎に舌を上げられないために、舌で下の前歯を押してしまいます。そのため下の前歯が前方に押され受け口になってしまいます。ムーシールドを使うと舌が前歯を押すことをカバーできるので、下の前歯が正しい位置に戻り、受け口を改善します。
頬の筋肉で上顎を狭くさせないようにカバーする
食べ物を飲み込む時、口の周りの筋肉に力が入りすぎることを異常嚥下癖(いじょうえんげへき)といいます。歯に強い筋肉の力がかかりすぎると、顎が小さくなっていきます。ムーシールドによって上顎に筋力がかかりすぎないようにし、上顎が正常な成長ができるようにムーシールドでカバーします。
3.ムーシールドと一緒に行う治療法
正しい舌の動きを覚える筋機能療法(きんきのうりょうほう)
筋機能療法はMFT(Myofunctional Therapy)と呼ばれ、舌や口の周りの筋肉を正しい動きにする治療法です。受け口や歯並びは筋肉の圧力により悪くなることも多いのです。ムーシールドで矯正的に舌や唇の圧をカバーしても、ムーシールドを付けていない間や、外してしまうと戻ってしまいます。そのため筋機能療法でトレーニングをして受け口が戻らないようにします。
舌が動きにくい舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)は切除することもある
舌の筋である舌小帯が短い舌小帯短縮症のため、舌が上顎に押し上げられない方がいます。その方も受け口になりやすいのです。筋機能療法で舌小帯を伸ばすことができればいいのですが、短縮状態が強く、改善できない場合は切除することもあります。
ムーシールドの使用法
4−1.正しい位置に装着する
上顎に合わせて口の中へ入れ、舌を持ち上げるように装着します。強く噛んだり、歯ぎしりをしないように注意してください。
日中2時間使用する
日中2時間使用します。舌を上顎にあげ、軽く唇を閉じるようにします。日中は舌の位置を常に意識するようにします。
寝ている時に使用する
寝ている間も使用します。初めのうちは寝ている間に取れてしまうこともありますが、できるようなら気付いた時に周りの方が戻してください。また、日中の時間を増やして、慣れるようにしてください。徐々に朝までムーシールドが口の中に入っていることが多くなります。
専用の洗浄剤で毎日洗う
口の中は細菌が多い場所です。毎日、専用の洗浄剤で洗うようにしてください。おすすめはリテーナーシャインで、通販等で購入可能です。お湯やアルコールなどで消毒すると変形することがありますので注意してください。
ムーシールドの費用
ムーシールドの費用は装置だけの代金の場合3〜5万円程度です。筋機能療法など歯列矯正治療として行っていく場合は20万円〜40万円程度です。基本的には装置だけを使用してもその後の後戻りや歯並びの問題で再度矯正治療が必要になってしまいます。そのため将来的な噛み合わせを含めた矯正治療として行っていくことをおすすめします。
ムーシールドで全てが治るわけではない
ムーシールドを使用したからといって全ての受け口が改善するわけではありません。また、一度改善した受け口もまた戻ってしまうこともあります。受け口は成長とともに変化をし、成長が止まるまで下顎も成長し続けるのです。そのため受け口の治療はムーシールドだけではなく、成長を観察しながら必要な治療を行っていく必要があるのです。