顎関節症と矯正治療|矯正歯科

    投稿日:2020年11月6日 | 最終更新日:2021年7月2日

    顎関節症と矯正治療

    矯正治療中断悲しい

    顎関節症の原因

    あごの関節は、動きの自由度が高いことから、とても複雑な構造をしています。

    そのあごの関節の動きを受け止めているのが、顎関節円板という、クッションの役割をしている軟組織です。

    関節の移動が激しいと、この関節円板に負担がかかり、関節円板の位置がずれてしまうことがあります。このずれが、顎関節症の原因の一つです。

    その他にも、顎関節症は、いくつかの原因が複合的に複合的に絡み合って起きることが多いです。

    顎関節症の主な原因

    顎関節

    あごの関節も他の関節と同様に、コラーゲン繊維でできた靱帯や筋肉で支えられています。

    生まれつき靱帯や筋力が弱い人は顎関節症になりやすいと言えます。

    その他、悩みやストレスも顎関節に負担を強いる場合があります。

    口を大きく開口すると痛い、音がする、ひどくなると口が開かなくなり前歯でしか噛めなくなります。

    • 咀嚼筋障害
    • 上下顎の咬合関係の異常
    • 関節包・靱帯障害
    • 関節円板障害
    • 変形性関節症
    • 心因的な要因に起因するもの
    • 外傷の後遺症

    顎(あご)の痛み

     

    顎関節症

    顎関節症に痛みが伴う場合は、肩こりと同じで顎関節のバランスが悪いために咀嚼筋にこりを生じている場合があります。

    この痛みは矯正治療によって噛み合わせのバランスが整うと、取り除かれることがあります

    顎関節症では「スプリント」というマウスピース装置を使って診断すると共に、歯列全体で均等に噛めるようにして症状を改善するスプリント療法があります。

    スプリント療法によって歯列全体で噛めるようになると、それまで緊張していた筋肉がリラックスし、筋肉のこりがとれて痛みが軽減します。

    当院では、その状態で矯正治療を行います。

    噛み合せを適正化する矯正治療

    矯正と笑顔

    矯正治療の大きな目的の一つは咀嚼(そしゃく)機能の回復ですが、その咀嚼機能をコントロールしているのは顎関節です。

    土台となるあごが正しく機能していなければ、いくら歯列だけを美しく並べても咀嚼機能は回復しません。

    噛み合わせの問題を抜きにして顎関節の治療は考えられず、噛み合わせと顎関節の関係について熟知している専門家は、日本顎咬合学会の咬み合わせ認定医です。

    顎関節症の治療についても、矯正治療が必要な場合があります。

    顎関節の構造

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    顎関節は左右に一つずつあり、頭の骨のくぼみに、下顎の骨の突き出た部分がはまり込むような構造になっています。顎を動かしたときによく動く両耳の前の部分が顎関節です。頭の骨(側頭骨)のくぼみは、耳のすぐ前あたりにある下顎窩(かがくか)というへこみとその前にある関節隆起という出っ張りから成っています。そのくぼみに下顎の骨のつき出た部分、下顎頭(かがくとう)がはまり込んでいます。
    下顎窩と下顎頭の間には関節円板というクッションの役目をする組織があり、骨同士が直接こすれ合わないようになっています。

    関節円板はコラーゲンという膠原繊維でできている野球帽のつばを狭くしたような帯状のもので、その端は下顎頭の内と外に連結されていますが、前後にはあまり強く連結されていません。
    下顎窩のくぼみと下顎頭の間にはさまれるように位置し、顎の動きにつれて下顎頭の内と外の連結部分を軸にして前後に回転し、下顎頭の先と一緒に動いて口の開閉時の圧力を吸収しスムーズに動けるようにする働きをしています。

    これらの関節組織は関節包という線維性の膜に取り巻かれており、関節包の内面には滑膜から滑液が分泌されて
    いて、潤滑油の働きをするとともに関節円板や骨の表面の線維軟骨に栄養を運んでいます。
    関節包の外側には外側靱帯があり、上下の骨を連結しています。

    顎を動かす筋肉群

    ・開口筋
    口を開けるのに使う筋肉。首の前(顎の下)にある前頸筋(舌骨上筋、舌骨下筋、胸鎖乳突筋)
    ・閉口筋(咀嚼筋)
    食べ物を噛むのに使う筋肉。咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋
    ・頸筋
    食べ物を食いちぎったり、しっかりとらえるために使う筋肉。前頸筋(舌骨上筋、舌骨下筋、胸鎖乳突筋)、後頸筋(僧帽筋など)

    顎関節のうごき

    口を開けるとき

    口を開けようとすると、下顎頭は回転し下顎窩から外れて前に滑り出す。関節円板も下顎頭の上に乗って一緒に前に移動する
    ※下顎頭が下顎窩から外れて前に移動することにより口を大きく開けることができる

    口を閉めるとき

    下顎頭は後ろに移動し、下顎窩の中に収まる。関節円板も一緒に後ろに移動して元の位置に戻る

    食べ物を咀嚼するとき

    下顎を左右に動かす必要があるため、左右のどちらか一方だけ下顎頭が前にすべり出し、この連続で食べ物を噛む。

    関節円板はズレやすい

    関節円板は前後の連結がゆるやかになっているため、前後に動きやすく、関節円板の後部組織が伸びやすい構造になっています。関節円板が前後に動いているうちに後部組織が伸びてしまい、関節円板が前方にずれたままになってしまうと、口を開け閉めするときに「カクカク」音がしたり、口が開けずらくなる症状が出てきます。

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