インビザラインの副作用、リスク、及びデメリット

インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)の副作用、リスク、及びデメリット

マウスピースと女性

・1日22時間以上使用しない場合は治療期間が延長する可能性があります
・歯科医師の経験や技術によって治療計画が異なってくる場合がありますので、治療結果は歯科医師およびクリニックの臨床経験に左右されます。
・インビザラインでは移動が困難なケースもあります。(顎切除が必要なケースは大学病院を紹介します)
・薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

ブラケット矯正の副作用、トラブル

☆歯根吸収

私の医院は歯周病も専門なので歯がグラグラしたと相談にみえる方は多いです。その中で一目で矯正治療の副作用だとわかるケースがあります。
原因は歯周病でなく矯正中に強い力で歯を動かした等のために、歯の根っこ(歯根)が吸収し数年~数十年してから症状が現れます。一度吸収した歯根を元に戻す事は不可能です。
歯の根っこが丸く吸収します。
特に矯正歯科専門の所の一部では治療開始前にしかレントゲンを撮影しないで、治療期間中はほとんど検査しないで治療する医院があります。
その場合は見えない部分(骨の中や歯根)に異常があってても気づかずにドンドン治療を進めるために見落とします。
どんな矯正の名医でもレントゲン写真を撮影しないで内部を診ることは不可能です。
抜歯して歯をきれいに並べる事と、生涯出来るだけ自分の歯で食べれる事は意味合いが大きく違います。歯列矯正をしたために早期に歯を失う方がかなりいらっしゃいます。
歯科矯正治療中にはレントゲンで歯根の向きや異常な吸収が起きてないか確認しながら治療する事はとても大切です。

☆歯肉退縮

歯肉退縮
もう一つ良くある事が、前歯の歯肉が下がってしまうことです。歯が並んでもこれでは綺麗になったと言えるのでしょうか?
このような状態になる事があります。そもそもの矯正プランに無理があったりプランに無理はなくても技量が伴わなかった場合に時々あります。
このようなケースのリカバリーはとても大変です。矯正歯科医ではまず無理ですし、一般歯科医でもごく限られた歯科医のみしか対応出来ないと思います。
私たち歯周病専門医の専門分野ですが、マイクロスコープ下の手術で難易度が非常に高い手術です。
まずは、このような事にできるだけならないような矯正治療計画をたててもらい、その様なリスクがあるのか? その様になったらどのように対応してもらえるのか?
j十分質問し納得してから治療を受けた方が賢明です。
もしこのようになった場合の審美リカバリー手術を依頼された場合、当院での手術費用(人工骨込み)は一部位25万です。(保険外診療)
その際の費用負担は矯正治療を受けた医院で負担される場合もありますが、矯正治療を開始する前にそのような事が起きた際の費用負担について確認しておいた方がいいと思います。

若いときだけ綺麗ならそれでいい美容目的の矯正歯科治療を望んでるのか、生涯自分の歯でできるだけ食べることができるように機能と審美を兼ねて矯正治療をするかで
矯正治療を受ける歯科医院選びは変わってきます。
歯並びはただキレイに見えるだけでは不十分です、機能的な咬合も満たしてはじめて口腔器官として役目を果たせます。咬み合わせは全身の健康にも影響を及ぼします。

☆矯正治療でのトラブル・アルバイトの非常勤矯正歯科医師

泣いてるスタッフ

矯正治療のデメリットではありませんが確認しておかないと大変な注意点があります。
・治療がそもそも最後までその歯科医院で可能か?です。
矯正治療が出来ない歯科医院では、アルバイトの非常勤矯正歯科医が来て治療している場合があります。
問題はそのアルバイト矯正医が来なくなった場合、院長か他の勤務医が矯正治療が出来れば問題は起こりませんが、治療できなければ大きな問題となります。
突然アルバイトの矯正医が来なくなる理由は、独立開業、結婚(女性の矯正医が多い)、転居、大学医局の都合、個人的な都合(他にもっと給与等条件のいい医院があった)
など色々です。
そんなことがあるのかと思われるかもしれませんが時々ある話しです。
実は私の歯科医院でも過去にアルバイトの非常勤矯正医が突然2人同時に辞めたことがあります。その時は私が全て引き継ぎましたので大事には至りませんでしたが、
今の若い歯科医師の中には古い感覚の私から見ると無責任というか、随分感覚が違う方もいるのが現実です。勤務医は退職届を出せばすぐに退職でき、強く引き留めればブラック企業です。
それが現在の常識と考え、条件が良いところに転職するのになんら罪悪感などない方もいます。働き方改革の現実です。
結局困るのは患者さんです。
アルバイトの非常勤矯正歯科医が治療を担当している歯科医院で矯正治療を受ける際は、必ず院長も矯正治療ができるか確認しておくことをおすすめします。
矯正治療は長い期間と高額な費用が必要なのでくれぐれも慎重になさった方がいいと私は思います。

☆CTを撮影なしで矯正治療するリスク

現在は色々な歯科治療の際にCTを撮影して上質な治療が行われてます。

3DCTでの切歯管と呼ばれる部分の画像です。

骨1

出っ歯及び口元の突出した感じを改善するために上顎の前歯を後ろに下げる治療計画でおきやすいケースです。
前歯を出来るだけ後ろに下げる歯の傾きを与えた場合のシミュレーションを行ったところ、上顎の歯根か切歯管にぶつかってしまうことが分かります。
この切歯管に当たるように歯を動かしてしまうと、歯根吸収を起こす確率が非常に高くなってしまいます。

 

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